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VW、独工場閉鎖検討 創業以来初 EV失速で打撃


VW、独工場閉鎖検討 創業以来初 EV失速で打撃 電気自動車を生産するフォルクスワーゲンの工場=2019年11月、ドイツ東部ツビッカウ(共同)
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 【ブリュッセル共同】ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は2日、ドイツ国内の工場の閉鎖を検討していると明らかにした。中国市場で競争が激化し、世界的な電気自動車(EV)の販売失速が打撃となる中、コスト削減で収益力を高める。VWが本拠地ドイツで工場を閉鎖すれば、1937年の創業以来初めて。
 VWは人員削減も視野に入れ、労働組合と協議を進める。欧米メディアによると同社はドイツで約30万人を雇用している。中国やアフリカ、米国などに生産拠点を持ち、ドイツには約10工場があるが、今回、車両工場と部品工場を各1カ所以上閉鎖する可能性がある。
 VWは近年、EVに注力するとともに、世界最大の自動車市場である中国を重視し、同国での販売は全体の約3割を占めてきた。このため中国の景気低迷と世界的なEVの販売減速が響いた。比亜迪(BYD)など中国勢にも押され中国での販売台数は減った。
 欧州では、ドイツでの購入時の補助金打ち切りなどが響き、EVの需要が低迷。一方、ハイブリッド車(HV)は欧州で売れており、十分にHVに投資してこなかったVWの戦略に批判が出ている。同社は傘下の高級車ブランド「アウディ」のEVを生産するベルギー・ブリュッセルの工場閉鎖も検討している。