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沖縄県、ゆがふ製糖浚渫に補助 取水設備周辺に土砂


沖縄県、ゆがふ製糖浚渫に補助 取水設備周辺に土砂 搬入されるサトウキビ=うるま市のゆがふ製糖
この記事を書いた人 Avatar photo 新垣 若菜

 本島唯一の製糖工場のゆがふ製糖具志川工場(うるま市)の海水取水設備周辺に土砂が堆積し操業に支障が生じている問題で、県は6日までに、取水設備の浚渫(しゅんせつ)工事費用を補助することを決めた。事業費1億4811万円のうち9割の1億3329万円を一般財源の予備費から支出する。一方で工場自体の老朽化が深刻で早急な立て替えが迫られており、問題は依然山積している。

 取水を巡っては、1994年度の中城湾港埋め立てに伴い、それまで利用していた海水取水のための水路(ため池)が消滅した。県がその損失分を補償し、ゆがふ製糖が新たに取水設備を設置した。

 海水は機械設備の冷却に必要だが、近年、水路などに土砂が堆積。干潮時に取水ができず、製糖期の操業に影響を及ぼしていた。

 県は、同製糖工場の操業には約4700戸の農家の収穫・出荷のほか、運搬など関係機関にも影響が大きいとして、予算措置を決定。早ければ9月下旬から工事を開始し、製糖期が始まる12月半ばまでに工事を終える予定だ。

 取水設備の整備に関しては、7月30日の県議会最終本会議で「製糖工場の次期操業に不可欠な冷却用海水の安定確保に関する緊急決議」が全会一致で可決され、県議会の経済労働委員会が県に浚渫工事にかかる予算確保を要請した。

 要請書では、1991年に県が当時の工場の主体である県経済農業協同組合連合会に「土砂が堆積することはない」との見解を示していたとして「県が責任を持って対処する必要がある」と指摘していた。

 (新垣若菜)