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セブン 買収に不賛同 加大手提案 「企業価値を過小評価」


セブン 買収に不賛同 加大手提案 「企業価値を過小評価」 セブン&アイ・ホールディングス書簡のポイント
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 セブン&アイ・ホールディングスは6日、買収提案を受けたカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールに、企業価値を「著しく過小評価している」として賛同できないとする書簡を送付したと発表した。発行済みの全株式を1株当たり14・86ドル(2千円超)で現金により買い取るとの提示だった。
 6日時点の為替換算で計算すると5兆5千億円規模となり、提示額はセブン&アイの時価総額の約5兆5500億円を下回っている。
 アリマンタシォン側は今回の回答書簡を受けて、金額の上乗せなどを検討するとみられる。好調なセブンの北米コンビニ事業が買収の狙いとの見方があるが、セブン&アイは米国での独占禁止法上の規制から、実現には「確実性が担保されていない」と強調した。ただ、円安の影響で海外企業が日本企業を買収しやすい環境にあり、敵対的な買収に今後発展する恐れも拭えない。
 書簡によると、取締役会は全会一致で「株主の利益に資さない」との結論に至った。さらに提示金額を引き上げたとしても、双方とも米国でコンビニを展開しており、米国の独占禁止法上の規制を受けるなどの課題が「適切に考慮されていない」と指摘した。
 セブン&アイは社外取締役で構成する特別委員会を設置し、提案内容を精査していた。5兆円を超える時価総額に対して、年間売上高は11兆円余りで、セブン&アイの市場価値が低いとの見方もある。