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経常黒字3兆1930億円 7月で最大、配当好調


経常黒字3兆1930億円 7月で最大、配当好調 経常収支の推移
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 財務省が9日発表した7月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支の黒字額は前年同月比15・1%増の3兆1930億円だった。18カ月連続の黒字で、比較可能な1985年以降では7月として最大の黒字額となった。海外投資の利子や配当といった第1次所得収支の黒字幅が伸び、単月ベースで過去最大だった。
 輸出から輸入を差し引いた貿易収支の赤字額は4827億円だった。輸出は半導体などの電子部品が伸び、9・7%増の9兆4171億円。輸入は医薬品が急増し、16・8%増の9兆8999億円となった。
 第1次所得収支は25・1%増の4兆4410億円の黒字だった。株式投資や海外子会社から得る配当金のほか、債券の利子が大幅に増加した。金融市場の金利上昇や外国為替相場の円安進行を背景に、投資収益が伸びた。サービス収支は5328億円の赤字だった。赤字幅は若干縮小した。
 訪日外国人の増加に伴い旅行収支の黒字額は5534億円と単月として過去最大を更新したものの、情報通信やインターネット広告といったサービスの赤字などが響いた。