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セブン買収、交渉継続 カナダ大手、拒否は「遺憾」


セブン買収、交渉継続 カナダ大手、拒否は「遺憾」 買収提案を巡るアリマンタシォン・クシュタールとセブン&アイ・ホールディングスの主張
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 カナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタールは8日(日本時間9日)、セブン&アイ・ホールディングスが不賛同とした買収提案に関し「拒否は遺憾」とする声明を発表した。「買収を現金で実施するだけの十分な余力がある」と強気な姿勢を見せ、交渉の継続に意欲を示した。セブン&アイが受け入れられる再提案をできるかどうかが焦点となる。
 クシュタールからの声明を受け、セブン&アイは日本時間9日、同社の企業価値を十分に認識した場合は「引き続き真摯(しんし)な協議に応じる用意がある」と発表した。セブン&アイは7月下旬に受けた買収提案に対し、企業価値を「著しく過小評価している」として賛同できないとする書簡を6日に送付していた。
 クシュタールは声明で「友好的な協議ができれば、株主にさらなる価値向上をもたらすことができる」と主張。資金調達を巡っては、買収計画を支援する大手金融機関や投資家と「良好な関係を構築している」と説明し、買収金額を引き上げる可能性もにおわせた。
 クシュタールの狙いは好調なセブン&アイの北米コンビニ事業との見方が濃厚だ。ただ両社は米国でコンビニを展開しており、米国の独占禁止法に抵触する恐れがある。声明で「規制当局の承認を得るために必要な場合には、セブン&アイとともに事業の切り離しも検討する」と表明した。
 企業の合併・買収(M&A)に成功してきた実績をアピールし「最善の統合策を導き出せる」と自信をにじませた。