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日中韓観光4000万人へ 共同宣言 地方都市交流を拡大


日中韓観光4000万人へ 共同宣言 地方都市交流を拡大 日中韓観光担当相会合の共同宣言ポイント
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日本、中国、韓国の観光担当相会合が11日、神戸市で開かれ、3カ国間を相互に訪れる観光客を2030年までに4千万人に増やすとの目標を掲げた共同宣言を採択した。新型コロナウイルス禍前から1千万人上回る水準となる。地方都市間の交流や地方直行便の拡大、交通混雑などオーバーツーリズム(観光公害)対策も盛り込んだ。会合は19年以来5年ぶりの開催で、2日間の日程を終えて閉幕した。
 日本政府は、都市部に集中する訪日客を地方に呼び込み、観光消費の拡大で地域の活性化につなげたい考え。斉藤鉄夫国土交通相、中国の張政文化観光次官、韓国の柳仁村文化体育観光相が出席し、宣言に署名した。
 共同宣言は、往来する観光客を25年までにコロナ禍前の水準の3千万人に回復させ、30年までに4千万人とするとした。子ども連れや高齢者、障害者が旅行しやすい環境を整備。誘客促進のため自然や文化など地域資源を生かした観光コンテンツを作る。観光客にマナーや意識の啓発も行う。
 会合後の記者会見で斉藤氏は「観光交流を通じて信頼関係を築くことが東アジア地域の成長を支える」と語った。柳氏は25年大阪・関西万博に言及し「成功が観光分野で3カ国にとって良い機会になる」と述べた。
 日中韓観光相会合は2006年に始まり、今回で10回目。20年にも開く予定だったが、コロナ禍のため延期していた。
 日本政府観光局によると、23年に日本を訪れた中国と韓国の観光客は計約937万人。24年は1~7月で既に計約903万人に上り、今後も増加が見込まれる。円安が続く中、日本からの中韓を含めた海外への観光客は低迷している。