11日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで急伸し、一時1ドル=140円台後半を付けた。約8カ月ぶりの円高ドル安水準となり、年初来高値を更新した。日銀の中川順子審議委員が同日の講演で追加利上げに前向きな姿勢を示したとの見方が広がり、円を買ってドルを売る動きが進んだ。
午後5時現在は前日比2円23銭円高ドル安の1ドル=141円37~39銭。ユーロは2円42銭円高ユーロ安の1ユーロ=156円08~12銭。
中川氏は秋田市で開いた講演で、物価上昇率が日銀の想定通りなら「金融緩和の度合いを調整していく」と説明した。植田和男総裁ら日銀執行部の考えを踏襲する発言となり、追加利上げの方針が改めて意識された。
日本時間11日午前にあった米大統領選のテレビ討論会も材料視された。民主党候補ハリス副大統領が優勢だったとの見方が強まり、共和党候補トランプ前大統領が返り咲けばインフレが加速して円安ドル高につながるとの観測が弱まった。
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円急伸、年初来高値 東京外為 一時140円台後半
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琉球新報朝刊