日本触媒は11日、電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池の材料を生産する工場を、福岡県に建設すると発表した。充電時間の短縮や航続距離の延長といった、EVの高性能化に寄与する新しいタイプの電解質を、年間3千トン生産する。最大375億円を投資し、2028年の工場稼働を目指す。
生産する電解質は「リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)」。現在は既存の電解質に添加する使い方が主流で、LiFSIの割合を増やすほど電池が長持ちするという。
新工場で1年間に生産するLiFSIは、全て電解質として使うとEV21万台分の電池に相当する。
経済産業省はEVの部品供給体制の構築支援を進めており、新工場設立に最大125億円を助成する。LiFSIは日本触媒が13年に世界で初めて量産技術を確立し、国内や中国などで関連特許を多数保有する。
九州では半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)をはじめ、EVに欠かせない企業が集積する。
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福岡にEVの 電池材料工場 日本触媒
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琉球新報朝刊