JR東海は14日、列車の車輪に車軸を取り付ける作業で、社内の目安値を超える圧力をかけていた車軸が在来線10両で11本あったと発表した。安全性は確保されているとしているが、該当車両を列車の編成から外し、特急など一部列車で車両数を減らして運行した。新幹線は全て目安内だった。データ改ざんなどの不正は新幹線・在来線ともに見つからなかった。
JR東海は11本の車軸の交換作業を順次行っており、完了するまでは営業列車での使用を停止する。このため、14日は名古屋と長野県を結ぶ特急「しなの」や名古屋と岐阜県飛騨地方を結ぶ「ひだ」、名古屋と和歌山県を結ぶ「南紀」など計28本で2両ずつ車両を減らした。影響は数日続くとみられる。同社は「心配と不便をおかけしている」とコメントした。
JR貨物が部品取り付け作業でデータを改ざんしていた問題を受け、社内調査を行った。東海道新幹線の約8千本、在来線約3880本の車軸を調べた結果、データは機械に自動的に記録されており、不正はなかったという。
一方、在来線10両の車軸11本で作業時の目安値が最大で2割超えていたことが分かった。目安値を超えた場合の取り扱いを明確に定めていなかったことが原因だと説明している。車輪の内径と車軸の外径の差を管理したり、圧力の波形データを確認したりすることで、安全性は確認しており、問題はないとしている。
JR貨物は10日、基準値を超える圧力をかけていたのにデータを改ざんするなどの不正があったと発表。全列車の運行を一時停止した。圧力を強くかけて部品に傷が付いた場合、そのまま走行を続ければ、最悪脱線の可能性もある。国土交通省は12日付で、全国の鉄道事業者に対し、部品の作業記録などを緊急点検し、月内に報告するよう指示した。
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10両で車軸圧力目安超え JR東海 特急、車両減らし運行
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琉球新報朝刊