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デブリ取り出し、再中断 福島第1 映像、操作室に送れず


デブリ取り出し、再中断 福島第1 映像、操作室に送れず 福島第1原発2号機のデブリの採取に使う装置=5月、神戸市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 東京電力は17日、福島第1原発2号機での溶融核燃料(デブリ)取り出しに向けた作業を中断した。採取装置先端に付いたカメラの映像を遠隔操作室に送れず、同日に予定していた装置の爪でデブリをつかむ作業ができなくなった。東電が原因を確認中で、作業の再開時期は未定としている。
 デブリの取り出しは2011年3月の事故後初めてで、廃炉に向けた重要工程。8月にも作業ミスで中断しており、相次ぐトラブルで、東電のさらなる信頼低下は避けられない状況だ。デブリ取り出しは当初21年に開始する計画だったが、工法変更などで既に3回延期。今回取り出し作業自体が延期となれば、4回目となる。
 デブリが残る原子炉格納容器内部は極めて放射線量が高く、作業は遠隔操作となるため、カメラ映像は不可欠だ。東電によると、装置にはカメラが4台あり、映像が送れなくなったのは先端の2台。17日午前6時ごろ作業を開始したが、遠隔操作室のモニターに映像が映らず、装置の主電源の入り切りやケーブルの再接続をしても復旧しなかった。
 東電は14日以降、先端から器具を垂らしたり、カメラの動作確認をしたりして、作業に備えていた。14日には装置の先端がデブリに触れ、15日もカメラの映像に問題はなかったという。
 東電の計画では、格納容器の貫通部から最長22メートルに伸びるパイプ式の装置を差し込み、先端の爪形の器具でつかんで採取する。今回は試験的取り出しとの位置付けで、容器底部から3グラム以下のデブリの回収を予定する。
 試験的取り出しは、当初8月22日に開始するはずだったが、採取装置を格納容器に押し込むパイプの並べ順を間違い、作業を中断。東電は手順書の見直しなど再発防止策をまとめ、作業を再開した。