2024年の基準地価は都市部や観光地を中心に大きな伸びを示した。訪日客が急増し、地域経済が活性化しているのを反映した。この流れを全国に広げるには、旅行先を各地方に分散させることが欠かせない。
今年1~7月の訪日客数は推計約2107万人となり、過去最速で2千万人を突破した。円安で日本が「安い旅先」となったのが要因だ。岸田文雄首相は過去最多となる年間3500万人が「視野に入る」との見通しを示している。
観光産業は宿泊や飲食、交通、レジャーなど裾野が広い。訪日客の増加が見込めれば、関連投資が増えて地域の魅力が高まり、地価も上昇する。
訪問先の分散は長年の課題だ。外国人の宿泊総数のうち、約7割が三大都市圏に集中している。地方では交通手段や宿泊施設、外国人向けの情報発信が不足していることなどが理由に挙げられている。
27日投開票の自民党総裁選は地域活性化が論点の一つとなっている。各候補がどういう具体策を持ち合わせているのか、見定める必要がある。
(共同通信)