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スキーリゾート 円安で投資活発 外国人需要旺盛 基準地価


スキーリゾート 円安で投資活発 外国人需要旺盛 基準地価
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信社

 北海道や長野県などスキーリゾート周辺の上昇が目立った。歴史的な円安ドル高基調により、海外から見た日本の物件の割安感が鮮明化。外国人向けの別荘や長期滞在用のホテル建設が相次いでいる。北海道富良野市の上昇率は前年比20.1%だった。国交省によるとスキーリゾートとして知られる同市の北の峰地区ではオーストラリアや米国などの外国人富裕層による別荘購入が盛んで、高い地価上昇が続いている。ニセコ山麓の倶知安町も9.1%上がった。

 長野県白馬村でも訪日客を含めた観光客が、新型コロナウイルス禍以前の水準を超える勢いで回復している。

交通アクセス 明暗を分ける

 不動産調査会社「東京カンテイ」井出武上席主任研究員の話 新型コロナウイルス禍で減少した訪日客が長期的な円安で急増し、観光地で上昇が色濃く出た。昨年ごろからコロナ禍前の水準に戻ってきた実感があったが、今回はさらに突き抜けた。ただ新幹線や航空便など交通アクセスの良しあしで、極端に上昇している地域と、そうではない地域に明暗が分かれた。地価上昇は、20代など若者の流入と強い相関性がある。下落地点でもマイナス幅は縮小傾向にあるが、高齢化や人口減が進むエリアは就職口も少なく、マーケットも小さい。地価が上昇に転じるのは容易ではない。

過疎化影響でさらに下落も

 都市未来総合研究所の大重直人主任研究員の話 訪日客の回復などに伴い地価の上昇が顕著となった。バブル経済とは異なり実需に基づく堅調な上昇と言える。金利は当面、急激な上昇はないと予想されるが、長期的には住宅需要や設備投資に影響を与える可能性がある。地方圏全体でも地価が上昇したが、福岡市など主要都市や一部の上昇地点が押し上げた結果とも言え、多くの住宅地では依然下落が続き、都市部との差は拡大している。大都市で訪日客の効果が多方面に波及する一方、効果を受けにくい地方都市では過疎化などの影響で、地価がさらに下落する可能性がある。

(共同通信)