東京メトロは18日、列車の車輪と車軸からなる「輪軸」の組み立て作業で、社内で定めた基準を超す圧力をかけていた車軸が225本あったと明らかにした。作業を委託しているグループ会社「メトロ車両」が記録を手動で書き換える不正をしていたという。国土交通省は19日にも鉄道事業法に基づき、2社を立ち入り検査する。
車軸の組み立てを東京メトロに委託している東葉高速鉄道で2本、埼玉高速鉄道で6本の車軸が基準値を超えていることも判明した。
東京メトロによると、不正は遅くとも2011年以降から実施していたとみられる。日本産業規格(JIS)は圧力が「基準値のプラス10%以内」であれば使用を禁じていないことから、超過が数%程度なら社内基準には違反していても問題ないという指導が作業員間で行われていた。223本はJIS基準のプラス10%以内だったが、残る2本のうち1本は基準を34%超えていた。
安全性を確認した車軸は既に使用を再開している。14日に南北線で1本が運休したが、他に運行への影響はなかった。
輪軸の組み立て作業を巡っては、JR貨物が車軸にJISの基準を超す圧力がかかってもデータを改ざんするなどの不正をしていた問題が発覚。国交省は全国の鉄道事業者に作業記録などの緊急点検を指示し、月内に報告するよう求めている。
またJR西日本は、車軸に車輪を取り付ける工程での圧力が目安値の上限付近に達していたケースが確認されたため、17日に城端線で運休が生じたと発表した。安全性は確保している。
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東京メトロ2社検査へ 国交省 輪軸に圧力 基準超え
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琉球新報朝刊