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日銀、政策金利維持へ 市場乱高下の影響注視


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日銀は19日、金融政策決定会合を2日間の日程で始めた。7月の前回会合では政策金利を0・25%程度に引き上げることを決めた。日銀の追加利上げと米国の景気懸念が重なり、8月上旬には日経平均株価が過去最大の下落幅と上昇幅を記録し、その後も不安定な値動きが続いている。日銀は市場の動向を注視し、利上げの影響を点検するため、現行の金利水準を維持する見通しだ。
 日銀は20日に当面の政策を決定し、植田和男総裁が記者会見で説明する。植田氏は2%の物価安定目標に向け、消費者物価上昇率が日銀の想定通りに推移すれば利上げを検討する方針を示している。会見では利上げの時期やペースを巡る発言が焦点となる。
 日銀が注目しているのが米国経済の行方だ。米連邦準備制度理事会(FRB)は雇用情勢の悪化を警戒し、米国時間18日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で主要政策金利を0・5%引き下げ、4・75~5・0%にすると決めた。
 日米の金融政策が正反対の方向に進むことで日米金利差が縮小するとの見方から、16日には外国為替市場の円相場が一時1ドル=139円台まで上昇。FRBの利下げ決定後は反動で円売りドル買いが強まり、荒い値動きとなっている。日銀は7月末の会合で利上げを決めた。同月上旬に1ドル=162円近くまで円安が進んだことから、物価上昇率が上振れする懸念が強まったと判断したためだ。最近は円安が修正され、日銀内部では「利上げを急ぐ必要はなくなった」との声が出ている。