列車の車輪と車軸からなる輪軸の組み立て作業を巡り、JR東日本は20日、2008年から17年にかけて、かかった圧力を社内の規定内におさめるよう記録を書き換えていたと明らかにした。総数は1100本超で、当時使っていた機器が示す圧力値が不正確だったためとしている。安全性に問題はなかったことなどから、公表しなかった。
国土交通省は詳しい経緯などを調べるため、鉄道事業法に基づき、24日にもJR東を立ち入り検査する。また、不正があったと既に発表している東京メトロに対し、20日に立ち入り検査を行った。
JR東によると、書き換えがあったのはいずれも在来線車両で、17年1月、メンテナンスの際に発覚。車軸を押し込む際の圧力値にばらつきがあり、現場の担当者が専門家らに相談して機器が不正確だと分かった。そのため、規定の範囲外の圧力値が出ても、一定程度なら問題ないと判断していたという。
規定外の圧力で組み立てた輪軸は約4800本で、うち1100本超は記録を書き換えていた。一部を除き安全確認した上で使用を続けており、現在も使われている76本は、乗客の安心を考慮して交換する。JR東は「仕事のプロセスを見直し厳正に管理している。ご不安とご心配をおかけしたことをおわびする」とコメントした。
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列車の輪軸記録 JR東書き換え 国交省、立ち入り検査へ
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琉球新報朝刊