コメの形や色などを調べる等級検査で、2024年産米は評価が最も高い「1等米」の比率が23年産より高めとなっていることが20日分かった。秋田、福島、新潟県といった主要産地の一部で、23年産の全国平均を大きく上回った。昨夏のような高温障害を防ぐため、水管理などの対策を徹底したことが奏功した。ただ今年も猛暑で、虫害が発生した地域もあることからコメの流通量が安定するかどうか懸念も残る。
農林水産省によると、23年産の全国平均は今年3月末時点で60・9%と、過去最低だった。米粒が白く濁る「白未熟粒」などが発生。
新潟県では23年産全体で14・8%、コシヒカリは4・7%にとどまった。
これに対し、全国農業協同組合連合会(JA全農)の新潟県本部の調べでは、今月17日時点のコシヒカリの1等米比率は88%に上った。担当者は、天候に恵まれたことに加え「水管理などの対策が功を奏したのではないか」と説明する。
福島県のひとめぼれは、13日のJA会津よつば(同県会津若松市)による初検査で、全て1等だった。肥料や水の管理徹底で昨年より白未熟粒が格段に少ないという。
JA秋田おばこ(秋田県大仙市)では、17日時点で主食用米の1等米比率が98%だった。JA全農山形県本部も昨年より改善を見込む。
一方、検査が終盤に入った茨城県内のあるJAによると、雷雨に見舞われたため主力のコシヒカリで2等米の割合が増えたという。近畿地方の民間の検査機関ではカメムシによる食害が確認されている。東海地方では一部で高温障害が発生し、昨年より悪化するとの見方も。コメの品質が低下すれば流通量が不足し、23年産のような品薄につながる恐れがある。
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1等米比率、前年より高め 新潟や秋田、高温対策奏功
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琉球新報朝刊