三菱UFJ銀行など大手5行が、変動型の住宅ローンを借りている人を対象に、10月から金利を引き上げる方針であることが26日、分かった。新しい金利での返済が始まるのは、おおむね3カ月後となる。日銀が7月31日に決めた政策金利の引き上げを受けた措置で、上げ幅は0・15%程度になる見通しだ。住宅ローンを借りる人の7割程度は変動金利を選んでいるとされ、金利上昇で多くの家計の負担が増す。
5行は三菱UFJ銀のほか、三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行、りそな銀行。5年間は毎月の返済額を維持し、返済期間内で支払いを遅らせる激変緩和措置もある。
変動金利は、銀行が優良企業に融資する際の優遇金利「短期プライムレート(短プラ)」に連動する。短プラに一定の金利を上乗せして「基準金利」とし、さらに借りる人の信用力に応じて優遇幅を決めて引き下げ、「適用金利」にすることが多い。
大手行は日銀の利上げを受け、9月に短プラを0・15%引き上げた。このため、変動金利の引き上げ幅も0・15%程度になる見通しだ。ただ顧客離れを避けるために上げ幅を抑える銀行が出る可能性もある。
住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」を展開するMFSの塩沢崇取締役によると、元本3500万円で35年返済の場合、金利が0・15%上昇すると毎月の返済額は2300円程度増えるという。
10月1日以降に新たに変動型の住宅ローンを借りる人については、各行の対応は異なりそうだ。銀行は定期的に適用金利を見直すが、見直し時期が10月でない銀行は次の見直し時期まで金利を上げないとみられる。
5行が新たに借りた人に適用した9月の最優遇金利は、三井住友信託銀が0・330%で最も低く、三井住友銀が0・475%と最も高かった。
固定型の住宅ローン金利は、既に借りている人は期間中の金利が変わることはない。
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住宅ローン 変動金利上昇へ 大手5行、来月0・15% 日銀の利上げ受け
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琉球新報朝刊