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家計救済策課題に 能登被災者支援は予備費 自民新総裁に石破氏


家計救済策課題に 能登被災者支援は予備費 自民新総裁に石破氏 想定される経済政策の課題
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党の石破茂元幹事長は27日、自民党総裁選で新総裁に選出されたのに伴い、経済対策の策定とその裏付けとなる補正予算の編成を政府、与党に指示する意向を固めた。10月初めの首相就任直後にも命じる。物価高で苦しむ家計の救済策などを盛り込む。大地震と豪雨に見舞われた能登半島の被災者支援策の実施には予備費を充てる。 (1面に関連)
 衆院解散・総選挙が近く見込まれる中、有権者を引きつける狙いがある。経済対策や補正予算の規模や内容が今後の焦点となる。石破氏はこの他、防衛費増額の財源に充てる増税の見直しや法人税率引き上げに言及した経緯があり、今後議論を呼ぶ可能性がある。
 石破氏は27日、総裁選後の記者会見で「物価上昇を上回る賃金上昇を実現する」と強調した。
 石破氏は総裁選期間中、共同通信のアンケートに対し、政府が物価高対策の柱として実施し、終了を決めている電気・ガス料金やガソリン代の補助を延長すべきだとの考えを示した。「傷んだ国民生活を改善することや、デフレ完全脱却を確実に実現することが重要」としていた。
 石破氏は今月25日に経済対策の概要を公表。物価高対策など5本柱の構成とした。リスキリング(学び直し)の推進やデジタル化などの投資の促進も盛り込んだ。住宅ローンなどの金利上昇への対策も講じる方針だ。
 能登の支援策の必要性も強調。27日の会見で「基本的に予備費で対応したい」と説明した。予備費は国会審議を経ずに内閣の裁量で使途を決められ、迅速な対応が可能となるためだ。
 今後は防衛増税が論点の一つとなりそうだ。岸田政権は法人、所得、たばこ3税の増税を閣議決定。石破氏はアンケートに「基本的に現行方針を維持するが、増税については不断に検討、見直しをする」と回答し、修正に含みを持たせた。