日本郵政の増田寛也社長は27日の定例記者会見で、傘下の日本郵便がゆうちょ銀行の顧客情報を同意なくかんぽ生命保険の営業活動に流用した問題について「法令に違反する行為であり、深くおわび申し上げる」と陳謝した。不正流用は全国的に広がっていたと認め、来月上旬にも再発防止策を示すと述べた。日本郵政グループ内での態勢不備に問題があったとの認識を示した。
かんぽ生命は同日、金融庁と総務省にそれぞれ保険業法と郵政民営化法に基づき、事案の概要を届け出た。松本剛明総務相は閣議後記者会見で「このような事案の発生は遺憾」と述べ、法令順守の徹底を求めた。
日本郵便はゆうちょ銀の顧客の貯金残高や年齢を基に保険を勧誘する対象者をリスト化。イベントなどへ誘い、保険を売り込んでいた。定額貯金の満期やキャッシュカードの切り替えを口実に来局を促した例もあった。
増田氏はかんぽ生命で一時払い終身保険の取り扱いが始まった今年に流用が始まった可能性が高いと指摘した。
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銀行顧客情報の 不正流用を陳謝 日本郵政社長
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琉球新報朝刊