帝国データバンクは30日、10月に値上げが予定されている食品は、飲料や調味料など2911品目になるとの調査結果を発表した。4月の2897品目を上回り、品目数は今年最多となる見通し。長期化する原材料高に加えて、物流費や人件費の上昇が要因となっている。
10月の値上げ品目を分野別に見ると、ペットボトル飲料を中心とした「酒類・飲料」が1362品目で全体の半数近くを占めた。ハムやソーセージなど「加工食品」が673品目で続いた。「調味料」も301品目に上った。
「菓子」は237品目。チョコレートの原料であるカカオ豆の価格高騰を受け、チョコ関連製品が半数を超えた。
伊藤園はペットボトルの「お~いお茶」を、サントリー食品インターナショナルはミネラルウオーター「サントリー天然水」を値上げする。エスビー食品は家庭用の「ラー油」などの香辛料やパスタソースの価格を引き上げる。
2024年の値上げ要因では原材料高が92・7%で最多。物流費の68・6%が続いた。円安と人件費上昇は、いずれも20%超だった。
11月と12月に値上げを予定している食品も含めた24年の累計品目数は、1万2401品目となった。今後、新たに値上げが発表されても年間で1万3千品目以下になる見通しで、前年の3万2396品目からは大幅に減る。
25年について帝国データの担当者は「円安による値上げが一服するとみられるが、賃上げによる人件費の上昇を価格に転嫁する動きは続くだろう」と話した。
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10月食品値上げ2911品目 帝国データ 飲料や調味料、今年最多 原材料高、人件費が上昇
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琉球新報朝刊