石破新内閣の経済政策を巡る思惑から、1日の東京株式市場は日経平均株価が前日の急落の反動で大幅上昇するなど荒い値動きとなった。
市場関係者からは賃上げなどの加速に期待がある一方、増税の懸念が相場の重しとなる可能性を指摘する声も出ている。ただ首相の今後の経済政策より、米国の景気や金融政策のほうが日本の株価への影響が大きいのではないかとの見方もある。
大和証券の細井秀司日本株シニアストラテジストは、旧大蔵省出身の加藤勝信氏が財務相となることで「企業が高い水準で賃上げできる税制改正を期待できそうだ」と評価。林芳正官房長官の再任や、外務副大臣経験のある岩屋毅氏の外相登用など「堅実な実務家の起用は政権支持率の向上につながる。海外投資家も好感し、株価は上昇しやすい」と期待した。
一方で、auカブコム証券の山田勉マーケットアナリストは、石破首相が言及している法人税の引き上げや金融所得課税強化が「実現すれば、デフレに逆戻りするリスクがある」と指摘。景気停滞への警戒感が相場の重荷になりかねないとした。
みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは「政治要因が株価を大きく動かす局面は終わった」と分析する。石破首相は岸田前政権の経済政策路線を踏襲する考えを示唆しているため、相場に与える影響は限定的で、米国株や外国為替相場の動向などに市場の関心は移るとみている。
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市場 賃上げ加速期待 増税懸念、相場の重しに
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琉球新報朝刊