農林水産省が2日発表した8月の農林水産物・食品の輸出額は、前年同月比1・2%増の1047億円と今年1月以来7カ月ぶりにプラスだった。昨年8月24日の東京電力福島第1原発の処理水放出を前に中国が日本産水産物の放射性物質の検査を強化、放出直後に輸入を停止してから1年以上が経過し、マイナスの影響がほぼ一巡した。米国やベトナムへの輸出拡大も寄与した。
品目別では、ホタテ(生鮮品など)が21・0%増の60億円。中国向けはゼロだった。コメや牛肉、日本酒も好調だった。
同時に発表した2024年1~8月の累計輸出額は前年同期比1・6%減の9203億円。ホタテ輸出が拡大した米国向けは192億円、ベトナム向けは96億円それぞれ増えたものの、中国向けが742億円減ったことが全体を押し下げた。
今年1月がプラスだったのは、中国の春節(旧正月)を控えて贈答用の日本酒などの需要が一時的に伸びたためだ。
中国の輸入停止を巡っては9月、日中両政府が輸入再開の方針で合意したと発表したが、具体的な再開時期は決まっていない。
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食品輸出1.2%増 8月、7カ月ぶりプラス
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琉球新報朝刊