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破格待遇で敏腕CEO招聘 米スタバ、不振脱却に新手


破格待遇で敏腕CEO招聘 米スタバ、不振脱却に新手 スターバックスのニコル新CEO=2015年(AP共同)
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 【ニューヨーク共同】不振が続く米コーヒーチェーン大手スターバックスが、経営立て直しに動き出した。外食大手で実績を上げた敏腕経営者を、リモートワークを認めるといった異例とも言える「破格待遇」で最高経営責任者(CEO)として招聘(しょうへい)。長引くインフレで消費者に節約志向が広がる中、新手を打つことで遠のいた客足の回復策を模索する。
 スタバは今年8月、2023年からCEOを務めたラクスマン・ナラシムハン氏の退任を発表。後任にメキシコ料理チェーン「チポトレ・メキシカン・グリル」トップのブライアン・ニコル氏が9月に就いた。
 ニコル氏は18年からCEOとしてチポトレを率い、店舗で発生した食中毒問題などで低迷していた同社を経営再建した。ニコル氏の在任中、チポトレの売上高は2倍、株価は8倍に上昇した。スタバの4~6月期決算は2四半期連続で減収減益に沈んでおり、外食業界で名の知られるニコル氏に業績回復を託す。
 もっとも話題となったのはその待遇だ。欧米メディアによると、ニコル氏には収入補償として7500万ドル(約110億円)相当のスタバ株が付与されるほか、入社時に1千万ドルの移籍金も支払われる。年俸は160万ドルで、業績に応じて数百万ドル単位のボーナスも上乗せされる。さらに西部ワシントン州シアトルのスタバ本社に勤務する必要がなく、現在の居住地で約1600キロ離れた西部カリフォルニア州ニューポートビーチからのリモートワークが認められているという。
 長期間の金利高止まりを背景に米国では景気減速もささやかれ、中国市場も低迷が深刻だ。組織化が進む従業員の労働組合も経営圧力を強めており、難しい対応を迫られる。
 スタバの独自性が薄らぎ他のコーヒーチェーンに対する優位性が損なわれたとの見方もある中、ニコル氏の手腕が試されることになる。