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ダウン超えの保温素材開発 ミズノ、水鳥保護後押し


ダウン超えの保温素材開発 ミズノ、水鳥保護後押し ミズノの新素材と羽毛の保温力を比較するモニター
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 ミズノは、ダウン(羽毛)を超える保温性を持つ新素材を開発した。ぬれても熱を逃がしにくい中綿で、悪天候や激しい運動の時でも快適に過ごせるという。新素材の活用で羽毛の使用量削減を後押しし、水鳥の保護にもつなげたい考えだ。新素材を採用した商品で、2027年度に10億円の売り上げを目指す。
 新素材の名称は「テックフィルブレスサーモ」。薄い不織布を幾層にも重ねた構造で空気を多くため込める。室温20度、湿度65%の環境で衣類の保温力を示す「クロー値」を計測し羽毛と比べたところ、新素材の方が優位だったという。繰り返し洗濯でき手入れが簡単なのも特長で、開発担当者は「これまで中綿では難しかった柔らかさと強度のバランスを追求した」と話す。
 ミズノは人工素材で羽毛の薄さや水に浮く特性を再現しようと、15年に研究に着手した。独自の吸湿発熱素材と吸水を防ぐ繊維加工技術を組み合わせ、ぬれると保温力が下がる羽毛の弱点克服にも成功した。
 商品展開は運動着にとどまらず多分野で予定しており、今年の秋冬はコートや掛け布団を販売する。価格は羽毛の商品と同程度としている。