景気判断　７地域据え置き　日銀　北陸、東海は引き上げ　能登豪雨注視、車は回復

　日銀は７日公表した１０月の地域経済報告（さくらリポート）で、全国９地域のうち北海道や東北など７地域の景気判断を７月の前回報告から据え置いた。北陸と東海は判断を引き上げた。北陸は能登半島地震からの復興が進んでいるのが主な理由で、９月の能登豪雨の影響を注視する。東海は自動車大手の生産が認証不正問題の影響が和らいで回復したと判断した。
　各地の景気判断は、この日の支店長会議で報告された。物価高の影響で個人消費など一部に弱めの動きもみられるが「緩やかに回復している」や「緩やかに持ち直している」などと総括した。
　判断を据え置いた地域は他に、関東甲信越と近畿、中国、四国、九州・沖縄。北陸は能登豪雨で被災地に甚大な被害が出ているとして「マインド面を含めてどの程度、経済を下押ししていくか注視していく」とした。
　項目別でみると「公共投資」「設備投資」「住宅投資」の３項目は全地域で判断を据え置いた。
　「生産」は北海道と北陸、東海の３地域で判断を引き上げた。自動車の販売増や、スマートフォンに使う半導体などの需要回復を見込んだ。
　「個人消費」は関東甲信越と東海で判断を引き上げた。節約志向の影響が残るものの、インバウンド（訪日客）の押し上げ効果で百貨店の売り上げなどが伸びた。「所得」は北陸と中国で判断を引き上げた。人手確保のための賃上げの動きを踏まえた。「雇用」は北陸で判断を引き上げた。