徳島県は7日、11月から適用される最低賃金の引き上げに伴い、1人当たり正社員5万円、非正規社員3万円を一時金として企業に支給する独自の支援策を発表した。都道府県別の2024年度の最低賃金改定額で、徳島の引き上げ幅は全国最大の84円となった。人件費の増加は中小零細企業にとって経営リスクとなるため、負担を緩和する。
安倍政権が企業に賃上げを促して以降、各自治体が独自の助成金制度で支援する動きが広がっている。徳島は9月以降に時給を930円未満から新たな最低賃金980円以上にした企業を対象に支給する。上限は1企業当たり50万円とした。支給は12月以降となる。
また賃上げについて制度の相談を受け付けるワンストップ窓口も12月上旬ごろ設置する。県は9月補正予算案に計11億円を計上した。10月8日の県議会に提案する。
徳島の23年度の最低賃金は都道府県別で2番目に安い896円。国の審議会が示した引き上げの目安額50円に対し、34円を上積みした。後藤田正純知事はかねて「若者の希望を奪いかねない状況だ」と人材流出を懸念しており、県の審議会に緊急要望書を提出するなど再三にわたり引き上げを求めていた。
最低賃金は年1回、国の審議会が目安額を示した後、労使の代表者らによる地方審議会が実際の改定額を決める。厚生労働省によると24年度の全国平均改定額は51円増で時給1055円になる。
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企業支援で1人5万円支給 徳島、最賃上げ幅最大 負担緩和、非正規は3万円
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琉球新報朝刊