日本政府は米国やオーストラリアと協力して、太平洋島しょ国で通信インフラの強化に乗り出した。関係者が7日明らかにした。台湾と外交関係を保つツバルやパラオといった国が支援対象で、海底ケーブルの敷設のほか、データセンターなど陸上の通信設備の整備を進める。地域での影響力を強める中国に対抗する狙いがある。
島しょ国やその周辺には、日本と北米、アジアを結ぶ通信用の海底ケーブルが張り巡らされており、通信の要衝となっている。各国は中国主導で通信網の整備が進んだ場合、情報を抜き取られる恐れがあるとして警戒。特に中国が台湾と外交関係のある国に対し、通信インフラ整備をてこにして切り崩そうとすることを阻止する方針だ。
海底ケーブルは大容量のデータを安定して送信でき、日本は外国との通信の99%を海底ケーブル経由で占める。生成人工知能(AI)の普及で通信量が急増する中、重要性が増す。ツバルにとっては初の海底ケーブルで日本は敷設に関わる技術協力などを行う。
パラオでは特定企業の通信機器に頼らない新たな通信網「オープンラン」の整備を進める。中国と国交のあるミクロネシア連邦でも、海底ケーブルの敷設を支援する。
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太平洋の通信基盤強化 政府が支援 中国に対抗 島しょ国ツバルやパラオへ
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琉球新報朝刊