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企業倒産10年ぶり5000件 4~9月、人手不足重し


企業倒産10年ぶり5000件 4~9月、人手不足重し 年度上半期の全国企業倒産件数の推移
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 東京商工リサーチが8日発表した2024年度上半期(4~9月)の全国企業倒産件数(負債額1千万円以上)は、前年同期比17・8%増の5095件だった。人手不足が重しとなり、14年度同期(5049件)以来、10年ぶりに5千件を超えた。円安による輸入資材の高騰も響いた。増加は上半期として3年連続で業種、地域を問わず倒産が広がった。
 人手不足が要因の倒産は約8割増の148件(前年同期は82件)に達し、比較可能な13年度以降の上半期で最多だった。
 内訳は求人難が57件、人件費高騰が56件、従業員の退職が35件。後継者難による倒産も220件あった。
 仕入れコストの増加など物価高が要因の倒産は、353件(前年同期は337件)。「(コスト上昇分を製品やサービスに上乗せする)価格転嫁が進まない中小・零細企業の収益に重荷になっている」と分析した。
 賃上げで人材を確保し、価格転嫁も進める大企業との対比が鮮明となった。
 産業別では、金融・保険業を除く9産業で倒産が増えた。最多は飲食などの「サービス業他」が15・3%増の1693件で、1995年度以降で過去最高。職人不足や資材高騰に悩む建設業が13・1%増の964件で続いた。
 地区別では、2年連続で北海道から九州までの全9地区で前年同期を上回った。
 負債総額は13・8%減の1兆3754億円。国産ジェット旅客機の開発を断念した旧三菱航空機(MSJ資産管理)の負債額が6413億円と大きかった。
 同時に発表した9月の倒産件数は前年同月比12・0%増の807件だった。9月として10年ぶりに800件を超えた。