セブン&アイ・ホールディングスは9日、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから買収の再提案を受けたと発表した。関係者によると、買収総額は7兆円規模と当初の案から約2割増えた。セブン&アイが稼ぎ頭のコンビニ事業に集中する戦略の一環として、社名変更を検討していることも判明した。
セブン&アイの井阪隆一社長は10日、2024年8月中間連結決算の発表後に記者会見する予定。買収提案への対応や事業戦略についてどう説明するか注目される。
新たな買収価格は9月中旬ごろ提示されたもようで、セブン&アイ株1株当たり約18ドル(約2700円)。買収価格の引き上げはセブン&アイの賛同や株主の支持を引き出す狙いがあるとみられる。両社は現時点で本格的な協議には入っていない。セブン&アイ株は9日の東京株式市場で買収を巡る思惑から上昇し、終値は前日比105円高の2335円だった。
セブン&アイは8月にクシュタールから買収提案を受けたと発表した。その際の買収価格は1株当たり14・86ドルで、企業価値を「著しく過小評価している」として賛同できないと回答した。
セブン&アイは株価を上昇させることで対抗する構えを見せている。今月4日には業績が低迷するイトーヨーカ堂を中核とする傘下のスーパー事業の株式を投資ファンドなどに早期に一部売却する案を検討していることが明らかになった。
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セブン買収7兆円再提案 カナダコンビニ大手 2割増額
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琉球新報朝刊