人手不足が深刻化する中、人工知能(AI)を接客に活用する動きが広がっている。場所の案内といった単純業務だけでなく、複雑な消費者のニーズにも対応できるようになってきた。人間による接客の改善に生かす事例も増えている。
富士通子会社のリッジラインズ(東京)は8月から、車用品大手オートバックスセブン(東京)の子会社と共同でAIによる接客の実証実験を始めた。モニターに表示されるAIの女性アシスタント「レイチェル」と対話し、オイルやバッテリーの交換など必要な作業について質問に答えると、車種や在庫状況から最適な商品や購入手順を案内してくれる。
自動車では車種ごとに適用できる部品が限られているなど販売員には高度な知識が必要だが、AIの能力でカバーできるのがメリットだ。今後も電気自動車(EV)などの普及で扱う商品はさらに増えると見込まれる。リッジラインズの担当者は「実際の交換作業は人間がやる必要があるが、購入の案内はAIで代行可能だ。人間はより高度な作業にシフトできればいい」と話し、実店舗への本格導入を検討する。
沖電気工業も昨年、鉄道会社と乗客案内の実証実験を行った。英語や中国語などにも対応する。
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接客にAI 活用広がる 複雑な対応も
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琉球新報朝刊