自民党は11日、派閥裏金事件に関係した旧安倍派の杉田水脈、尾身朝子、上杉謙太郎の3氏が衆院選比例代表からの出馬を辞退したとして非公認を事実上決めた。非公認は小選挙区を含め計15人となる。森山裕幹事長は「問題のあった方々の責任を明確にできる決定をした」と述べ、裏金事件で処分を受けた前衆院議員らへの対応の決着としたい考えだ。 (2面に関連)
同時に65人の公認を決定。1次公認を含め小選挙区計266人(女性25人)、比例のみが計78人(31人)となった。小選挙区と比例単独の女性候補はそれぞれ過去最多とし、刷新感を演出した。
森山氏は、菅義偉副総裁、小泉進次郎選対委員長と党本部で公認問題について対応を協議した。協議後、記者団に「3人は深く反省し、再起を目指したい意向だ」と説明した。3人は比例単独での出馬を予定していた。執行部は当初から、裏金議員を比例上位で優遇する考えはなく、当選可能性が低くなるとみた3人は事実上、出馬辞退に追い込まれた形だ。
杉田氏は3人の中で、政治資金収支報告書への不記載額が1564万円と最も多く、党役職停止6カ月の処分を受けた。不記載額623万円の尾身氏は戒告、上杉氏は同309万円で党則上の処分に当たらない幹事長注意だった。
杉田氏は2012年衆院選で旧日本維新の会から出馬し初当選。安倍晋三元首相の働きかけで17年と21年は自民の公認を得て、比例中国ブロックで当選した。尾身氏は前回選で別の自民現職と選挙区が競合し調整の結果、比例北関東へ転出。上杉氏は地盤・福島が小選挙区定数「10増10減」で減員県となり、比例に回ることになっていた。
自民は9日、裏金議員らの小選挙区での対応を巡り、旧安倍派の前議員ら11人と旧二階派の前議員1人の計12人を非公認と決定。34人は公認したが、いずれも比例代表への重複立候補を認めなかった。その代わりに、女性や若手を積極的に擁立する方向で調整していた。
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自民裏金3氏 比例不出馬 非公認計15人で決着図る 森山氏「責任を明確化」 衆院選
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琉球新報朝刊