【ビエンチャン共同=鳥成慎太郎】石破茂首相は11日(日本時間同)、初外遊となったラオスでの日程を終え、記者会見を開いた。一連の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議で「一方的な現状変更は認められないと明確に発信した」と強調。中国の李強首相との会談では「戦略的互恵関係」推進を確認する一方、軍事活動などの懸案に言及し、けん制したと説明した。法の支配の重要性を前面に掲げた岸田文雄前首相の路線を踏襲した形となった。
首相は会見で、ASEAN会議に関し「安全保障環境が激変する中にあって、国際情勢を率直に議論する重要な機会だった」と評価。「北朝鮮や東・南シナ海情勢について、わが国の立場を明確に伝達した」と述べた。
10日の李氏との会談に関し「首脳間を含め重層的に意思疎通を重ねていくと確認した」と言明。中国・深圳の男児刺殺事件などを挙げ「両国関係は必ずしも順調ではないが、解決の糸口はつかめた」との認識を示した。11月の国際会議の際に想定される習近平国家主席との会談については「具体的な日程には上がっていないが、実現のため努力する」と語った。
持論のアジア版NATO(北大西洋条約機構)に関しては、一連の会議や会談で言及しなかったと明かした。
会見に先立ちASEANと日米中ロなどが参加する「東アジアサミット」で、地域を分断と対立ではなく協調に導くため、自由で開かれた国際秩序の維持が不可欠だと主張。北朝鮮による核・ミサイル開発とロシアとの軍事協力に深刻な懸念を表明した。
会見後、政府専用機でラオスを出発し、12日未明に帰国。
会見では、帰国後に待ち受ける衆院選で「日本創生」を掲げるとし「日本の在り方をもう一回新しくしたい。私自身先頭に立ち、国民に理解してもらえるよう最大限努める」と力説。使途公開不要の政策活動費に関し「使い方は抑制的なものでなければならない。国民が疑念を持つことがないようにする」と語った。
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石破外交「法の支配」前面 初外遊 対中国、互恵とけん制
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琉球新報朝刊