県中小企業団体中央会が16日発表した9月の県内景況は、前年同月と比べた景況感を示す判断指数(DI)が全業種でマイナス9・1だった。8月から4・5ポイント好転したが、6カ月連続のマイナスだった。
9月は二度の三連休があり、景況感は改善した業種があった一方、原材料費高騰で収益が圧迫された業種が多く、最低賃金引き上げへの懸念も寄せられた。
DIは製造業が前回調査から横ばいのマイナス30で、10業種の景況感の内訳は好転ゼロ、横ばい7、悪化3。パン製造業からは人件費高騰による収益悪化のほか、人手不足の影響で1人当たりの配送量が増えるなど人員確保が深刻な状況との回答があった。ガラス製品製造業は7月から大幅な値上げを実施。最低賃金引き上げに伴う人件費増加などによる利益確保に不安の声が多い。
非製造業は8・3ポイント好転し、プラス8・3。12業種の内訳は好転2、横ばい9、悪化1。各種商品卸売業では、人手不足への対応で既存の従業員の雇用維持に「神経を使っている」との現状がある。ホテル旅館業からは9月の台風の影響が機会損失につながったなどの声があった。
中央会の小橋川篤夫会長は「適切な価格転嫁が進むよう組合を通じて事業者を支援したい」と述べた上で、「年収の壁」による働き控えで人手不足の悪化を防ぐため対策を講じる考えを示した。
(當山幸都)