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北海道で鳥インフル 養鶏場で今季初 1万9000羽殺処分へ


北海道で鳥インフル 養鶏場で今季初 1万9000羽殺処分へ 北海道厚真町の養鶏場で殺処分作業を進める関係者=17日午前10時50分(共同通信社ヘリから)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 北海道は17日、厚真町の養鶏場で死んだ鶏を遺伝子検査した結果、鳥インフルエンザの陽性が確認されたと発表した。高病原性の疑いがある。今季の養鶏場での発生は全国初で、農林水産省はこれまでで最も早い時期の発生確認としている。北海道は飼育されている肉用鶏約1万9千羽の殺処分を始め、18日に防疫措置を終える予定だ。
 農水省は17日に防疫対策本部を開き、小里泰弘農相が「野鳥で感染が見られており、全国どこで発生してもおかしくない状況だ」と述べ、発生予防とまん延防止の対策徹底を要請した。石破茂首相は官邸で「政府一体となって迅速に対応する」と語った。
 鈴木直道知事は道庁の対策本部会議で「危機意識を共有し、迅速な防疫措置に全力を挙げてほしい」と指示。「流通している鶏肉については食べても安全だ」とも呼びかけた。
 北海道によると、厚真町の養鶏場から16日夕、家畜保健衛生所に「普段より死ぬ鶏が増えている」と通報があり、簡易検査で陽性が判明。17日に遺伝子検査でも確認され、国が正式に判定した。
 18日までに全約1万9千羽を殺処分し、埋却、消毒などの防疫措置を行う計画で、約180人の道職員らが交代で作業する。半径10キロ以内にある養鶏場5戸の計約71万羽については移動や搬出を禁止した。
 道内の関係者からは感染拡大への不安が広がっている。
 ホクレン農業協同組合連合会(札幌市)の担当者は「生産者は野鳥が鶏舎に入らないように壁を二重にするなどの工夫をしている」とするが、「100%の防御は難しい」と話した。