財務省が17日発表した2024年度上半期(4~9月)の貿易統計(速報、通関ベース)は、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の赤字額が3兆1067億円だった。赤字幅は前年同期から14・4%拡大し、赤字は半期ベースで7期連続となった。円安ドル高などを背景にした慢性的な輸入超過は、資源調達を海外に依存する日本経済の弱さを浮き彫りにしている。
輸出は53兆5504億円で、前年同期と比べ6・6%増加した。円安を追い風に半期ベースで過去最大となった。中国向けの半導体等製造装置や米国向けハイブリッド車が伸びた。
輸入は56兆6571億円で7・0%増加した。米国から業務用パソコンや医薬品の仕入れが目立った。原油や液化天然ガス(LNG)の単価が上昇し輸入額が膨らんだ。鉱物性燃料全体は3・1%増の12兆4636億円だった。
上半期の為替レートは平均1ドル=153・15円で、前年同期に比べ13円以上円安だった。
国別の貿易収支は対米国が4兆2984億円の黒字で、前年同期に比べ4・1%縮小した。輸出額、輸入額はともに過去最大だった。対中国はスマートフォンなどの輸入が増えて3兆637億円の赤字となり、赤字額が6・9%拡大した。
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貿易赤字3.1兆円に拡大 24年度上期 円安、輸入超過慢性化
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琉球新報朝刊