中小賃上げ「６％以上」　２５年春闘、連合基本構想

　連合は１８日、２０２５年春闘の基本構想を発表した。賃上げでは、基本給を一律に引き上げるベースアップ（ベア）を３％以上とし、定期昇給分と合わせて「５％以上」を要求。中小企業の労働組合は大手との格差是正のため上乗せして「６％以上」とした。
　記者会見した芳野友子会長は、中小の要求に関して「大手との格差が広がった。是正をしっかりとしていきたい」と強調。中小を除いた要求の「５％以上」は２４年春闘と同水準で「数字的には同じだが、５％以上の賃上げを確実に続けていくことが大事だ」と述べた。
　基本構想では「賃金、経済、物価を安定した巡航軌道に乗せる年としなければならない」と明記。２４年春闘で５％台の賃上げが実現したものの、生活が向上したと実感している人は少数にとどまり、物価高による家計圧迫や中小企業などに賃上げの流れが十分に波及していないことが要因にあると指摘した。
　また、企業規模間、雇用形態間、男女間の賃金格差の是正を目指す他、近年は初任給を大幅に引き上げる一方、中高年への配分を相対的に抑制する傾向があるとして「全ての人の生活向上を目指す必要がある」とも盛り込んだ。
　雇用形態を問わず適用される企業内最低賃金は、２４年春闘よりも５０円多い「時給１２５０円以上」を求める。基本構想は組織内でさらに議論し、１１月の中央委員会で正式決定される見通し。
　連合の傘下労組は２４年春闘で、平均５・１０％の賃上げを達成。３３年ぶりに５％を超えた一方で、中小労組は４・４５％にとどまっていた。