ラピダスに追加出資　トヨタ　株主８社、支援固まる

　トヨタ自動車は１８日、次世代半導体の国産化を目指すラピダスに対し、追加出資する方針を明らかにした。デンソーやＮＴＴ、ソフトバンクも応じる見通しで、既存株主の全８社による追加出資の支援が固まった。ラピダスは総額１千億円規模の資本増強を株主や銀行団に要請しており、２０２７年の量産開始に向けた資金の一部調達に弾みがついた形だ。
　トヨタの佐藤恒治社長は１８日、取材に応じ「半導体は車の基盤を支える意味で大事だ。連携を取って産業としてしっかり守っていく必要がある」と述べた。トヨタなど各社の具体的な追加出資額は未定で、来年以降に正式に決まるとみられる。
　ラピダスには追加出資の方針が判明したトヨタやデンソーなど４社に加え、ソニーグループやＮＥＣといった既存株主の計８社が総額７３億円を出資した。このうちソニーなどは追加出資する意向が既に明らかになっていた。
　銀行団では三菱ＵＦＪ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行、日本政策投資銀行がラピダスの要請に応え、４行で計最大２５０億円を出資する方針。他に富士通や技術開発を連携して進めるＩＢＭも新たに出資する方向だ。
　量産には５兆円規模の投資が必要とされる。今回固まった民間からの出資に政府の助成を合わせても、まだ４兆円規模の資金調達が必要だ。政府はラピダスへの出資も検討しており、政府資金で建設した工場と同社株式を交換する案が浮上している。