都市緑化機構が主催する「第23回緑化技術コンクール」で、那覇市役所(2012年完成)の設計を手掛けた総合建設コンサルタントの国建と環境設計国建が環境大臣賞を受賞した。市役所の屋上や壁面の緑化、庭園などで用いた技術や工夫が、職員や市民の憩いの場となっている点などが評価された。
吹き抜けを緑化した設計で注目を浴びた「ホテルムーンビーチ」などを手掛けた国場幸房氏(16年死去)が設計責任者を務めた。国場氏は庁舎の落成後も「緑がしっかり育ってからが本当の完成だ」と見通していたといい、落成から12年後の受賞となった。
国建の石嶺一社長は「サステナブルデザイン推進室も作って取り組んでいる中、環境大臣賞を受賞したのは大きい。私たちだけでは完成せず、緑化を維持している役所職員やボランティアの皆さん、全ての人で育んできた」と喜んだ。
庁舎は台風などで植物が飛散しないように植物が這(は)うワイヤメッシュをかご状に組んだり、植物が生育して上下階を行き来できるようひさしに穴を開けたりし、工夫が随所に施されている。
緑化による壁面や窓の遮熱効果もあり、那覇市役所のエネルギー使用量は一般の事務所ビルと比べて11%程度低くなっている。
(島袋良太)