三菱UFJフィナンシャル・グループとKDDIが共同で出資するインターネット銀行とネット証券の資本関係を再編する方針を固めたことが19日、関係者への取材で分かった。
2024年度中にも、三菱UFJが「auカブコム証券」を、KDDIが「auじぶん銀行」をそれぞれ完全子会社化する。
日銀の利上げによる「金利のある世界」への回帰や、新しい少額投資非課税制度(NISA)をはじめとした投資ブームを受け、それぞれの注力分野に経営資源を集中する。資本再編後も顧客サービスなどで協力関係を続ける。近く発表する。
auカブコム証券に51%を出資する三菱UFJは、KDDIが保有する49%の株式を取得し、完全子会社化する。「三菱UFJ」を冠した社名に変更し、個人向け事業を一段と強化。銀行や証券、カード会社といった金融サービスを展開するグループ内で顧客を紹介し合って収益を高める。
KDDIはauじぶん銀に78%出資している。三菱UFJが持つ22%分を買い取って完全子会社化する。経営判断のスピードを速め、通信サービス契約者への優遇を手厚くするなど、auじぶん銀との一体運営をさらに強める。
三菱UFJは、傘下の銀行とauじぶん銀との間で預金者獲得や住宅ローン融資の競争が激化し、auじぶん銀の経営に関与する意義が薄れたと判断したようだ。
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ネット銀と証券の資本再編 24年度にも完全子会社化 三菱UFJとKDDI
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琉球新報朝刊