有料

損保代理店3社検査 金融庁 BM問題受け実態把握


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 金融庁が、損害保険代理店を兼ねる自動車販売会社への立ち入り検査を本格化したことが23日、分かった。旧ビッグモーター(BM)が自動車保険の保険金を不正に請求していた問題を受けた動きで、中古車販売チェーンの2社に加え、トヨタ自動車直営の販売会社を検査対象としたことが判明した。代理店の販売実態を把握して再発防止につなげる狙いとみられる。
 金融庁が保険業法に基づき立ち入り検査していることが明らかになったのは、中古車販売店「ガリバー」を展開するIDOM(イドム)、東海地区を地盤とする同業のグッドスピード(名古屋市)、トヨタモビリティ東京(東京)の計3社。
 IDOMとグッドスピードは昨年、保険金の不正請求が社内調査で分かったとしてそれぞれ3件、計121件公表していた。損保各社は実際の件数はさらに多い可能性があるとして調査のやり直しを求めているが、2社の動きは鈍く、金融庁が問題視しているもようだ。
 トヨタモビリティ東京は2020年に車両塗装費用の水増し請求が発覚したほか、今年8月には約2万6千件の保険契約者情報の漏えいも見つかった。金融庁は、保険販売の状況や損保各社との商慣行に問題がないかどうかを調べる。
 自動車販売会社は、各地の財務局に保険代理店として登録し、自動車の購入者などに保険を販売する業務を手がける。損保各社は代理店を指導する義務があるが、BM問題では契約シェア拡大を意識するあまり、実際に保険を売る代理店の立場が強くなり、指導が不十分だった。金融庁は保険業法や監督指針の改正により代理店の規制強化を検討している。