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セブン、売上高30兆円目標 30年度、海外コンビニ拡大 企業価値高め買収対抗


セブン、売上高30兆円目標 30年度、海外コンビニ拡大 企業価値高め買収対抗 セブン&アイ・ホールディングスの投資家向け説明会のポイント
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 国内小売り最大手セブン&アイ・ホールディングスは24日、2030年度(31年2月期)にグループ売上高を30兆円以上に拡大させる目標を明らかにした。コンビニ事業に集中して海外店舗網を拡大し、23年度(24年2月期)実績の約1・7倍を目指す。カナダの同業大手から総額7兆円規模に上る買収提案を受けており、企業価値を高めて対抗する狙いだ。
 井阪隆一社長が投資家向けのオンライン説明会で表明。井阪氏は「グローバル市場での成長機会を捉え、企業価値、株主価値のさらなる向上が見込める段階を迎えている」と強調した。
 買収提案しているカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールへの言及はなかった。
 今後、店舗網を現状の20カ国・地域で計8万4652店(24年2月末現在)から、30カ国・地域で計10万店に引き上げる。タイや韓国といったアジアに加え、欧州や南米、中東、アフリカでの展開を図る。井阪氏はネットワーク拡大で「より大きな成長の可能性を秘めている」とも語った。
 セブン&アイの業績は、コンビニ加盟店や海外事業の売上高を含めた「グループ売上」が24年2月期は17兆7899億円だった。前年実績から微減で足踏みしており、拡大戦略はハードルが高い可能性もある。
 今月10日に発表した24年8月中間連結決算は、純利益が前年同期比34・9%減の522億円で、海外コンビニの収益改善が課題となっている。
 セブン&アイはクシュタールの買収提案に対し、9月に賛同できないと表明。再提案を受けたと今月発表したが、消極的な姿勢を見せている。