【ワシントン共同】日米欧の先進7カ国(G7)は25日、ロシアの凍結資産を活用したウクライナ支援について最終合意した。年内に融資による約500億ドル(約7兆6千億円)の支援を開始する。G7首脳は共同声明を発表し「ロシアは違法な侵略戦争を終わらせ、ウクライナの損害を賠償しなければならない」と強調した。
G7が改めて対ロシアで結束する姿勢を示した一方、ロシアは中国など主要新興国で構成するBRICSの枠組みを巻き込み、非欧米陣営で対抗する構えを見せている。
G7は各国が個別に融資契約を締結し、ウクライナの資金需要に応じて12月1日から2027年末までの間に分割で融資する。融資はロシアの凍結資産から生じる利益で返済し、ウクライナに返済義務は生じない。支援の詳細は近く公表する。
G7などが凍結したロシアの資産は約2800億ドルに上る。G7は6月の首脳会議で支援を決め、融資条件や返済方法など詳細を協議していた。
G7財務相も25日、ワシントンでの会合後に共同声明を発表。「ロシアが侵略をやめ、ウクライナに生じさせた損害の支払いをするまでロシアの資産を凍結する」との6月の首脳合意を改めて明記した。加藤勝信財務相は記者会見で、合意に関し「断固支援する姿勢を示すものだ」と話した。
米国は23日、200億ドルを融資すると発表した。英国は22億6千万ポンド(約4500億円)、カナダは50億カナダドル(約5500億円)の融資を公表済み。欧州議会は最大350億ユーロ(約5兆8千億円)を欧州連合(EU)で分担する計画を承認しており、米国と同じ200億ドル程度の負担になるとの見方がある。
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ウクライナ支援、7.6兆円 G7、年内融資開始で合意
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琉球新報朝刊