東北電力は29日、運転停止中の女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の原子炉を起動し、再稼働させた。2011年3月11日の東日本大震災から13年7カ月、被災地に立地する原発の再稼働は初めて。過酷事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)としても全国初の再稼働となる。原発事故後、国内で再稼働した原発は13基目。
2号機は出力82万5千キロワット。東北電は29日午後7時、中央制御室で運転員が核分裂反応を抑える制御棒を引き抜く作業を始め、原子炉を起動した。3時間程度で核分裂反応が安定して続く「臨界」に到達する見込み。11月7日にも発電を再開し、12月ごろに営業運転を開始する計画。
林芳正官房長官は29日午前の記者会見で、「原子力は再生可能エネルギーと共に、脱炭素電源として重要だ。安定供給の観点からも安全性の確保を大前提に最大限活用を進めていく」と述べた。
女川原発は東日本大震災の震源に最も近い原発で、最大約13メートルの津波が襲った。震災前、敷地は海抜14・8メートルだったが、冷却用水を取り込むための取水路から海水が流入し、原子炉起動中だった2号機原子炉建屋地下が浸水。外部電源は5回線のうち4回線が停止したが残った電源で冷却を維持し、1~3号機を冷温停止させた。
東北電は13年5月、再稼働に向けた安全対策工事を開始した。同年12月、原子力規制委員会に再稼働に向けた審査を申請し、20年2月に合格。同年11月、村井嘉浩知事が再稼働同意を表明した。 今年5月、津波対策として国内最大級となる海抜29メートル、総延長約800メートルの防潮堤などを整備する安全対策工事が完了した。
今後は、中国電力が12月上旬にBWRの島根原発2号機(松江市)を再稼働させる計画だ。
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女川原発2号機 再稼働 東日本大震災被災地で初 東北電 福島第1と同型
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琉球新報朝刊