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新米1等77%に改善 9月末 収穫本格化、品薄解消へ


新米1等77%に改善 9月末 収穫本格化、品薄解消へ 1等米比率の推移
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 農林水産省が29日発表した2024年産米の9月末時点の農産物検査の結果は、1等米比率が全国平均で77・3%となった。主産地をはじめ多くの地域で収穫が本格化し、前回の8月末時点の63・7%から改善した。コメの流通量が安定化し、品薄は本格的に解消しそうだ。ただ価格は生産コストの増加が反映されており、高止まりする可能性も指摘されている。
 1等米比率は前年同期の23年産(59・6%)を大きく上回り、過去5年平均(73・2%)よりも高くなった。8月末時点では西日本を中心にカメムシや高温の被害が目立っていたが、東北地方などで収穫が進んだ。北海道と東北各県は軒並み90%超。北陸も80~90%台となった。
 9月末までに例年の検査数量の4割程度を終えた。農水省の担当者は、24年産は記録的な低さだった23年産の水準から平年並みに回復したとの見方を示した。次回の10月末時点の調査でさらに伸びる可能性もある。
 23年産は昨夏の高温障害の影響で現行検査になってから最低の60・9%(24年3月末時点の全国平均)。品質低下によりコメの流通量が減少し、今夏の品薄と値上がりの要因となった。23年産の最終結果は10月末時点の調査で示される。