東北電力女川原発2号機は、再稼働に向けた準備が大詰めを迎えた今年6月以降、機器が計画外に作動するなどトラブルが相次いだ。中には人為的ミスにより発生した事案もあり、地元からは「市民の不安がどんどん大きくなっている」と、苦言を呈する声も上がる。東北電は社員教育の充実を強調する。
今年6月、事故が起きた時に原子炉建屋から放射性物質が外部へ漏れるのを低減する機器「非常用ガス処理系」が計画外に作動するトラブルが発生した。9月には機器につながる端子に関連する作業上のミスがあり、再び計画外作動した。さらに同月、原子炉の出力を制御する「制御棒」を動かす装置の弁から計約4リットルの水が漏れるトラブルもあった。
再稼働を目前に控えた今月21日、原発が立地する宮城県石巻市議会の委員会で、東北電の担当者がトラブルの経緯を説明した。委員からは「事故が起きてからじゃ遅い」「ひと言でヒューマンエラーと片付けていいのか」と指摘が出た。
女川原発の阿部正信所長は「真摯(しんし)に反省し、シミュレーターなどを活用して教育面のさらなる充実、改善を図っていきたい」と話した。
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トラブル相次ぎ 地元苦言
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琉球新報朝刊