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フリーランス保護を義務化 新法施行


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 組織に属さず働くフリーランスを保護する新法が1日、施行された。個人で業務を受けるため弱い立場に置かれやすく、トラブルも多いことから、発注元の事業者側にきちんと報酬を支払うなど適正な取引やハラスメント対策を義務付ける。多様な働き方が広がる中、安心して働ける環境を整備する。
 新法では、発注元が業務内容や報酬額を書面やメールで明示し、業務完了から60日以内に報酬を支払うことを義務付けた。1カ月以上の業務委託をした場合は、報酬を不当に低くする「買いたたき」や、発注した成果物の受領拒否といった禁止行為を定めた。
 公正取引委員会が調査し違反を認定した場合は、発注元に勧告や命令を出し、事業者名や違反内容を公表する。命令に従わなければ50万円以下の罰金が科される。
 課題は新法の認知度で、公取委などが10月に公表した調査では、新法の内容を知らないフリーランスは7割超、事業者側は5割超に上っており、浸透するかどうかが今後の焦点となる。
 フリーランスは2020年の政府調査によると国内に462万人いると推計される。発注元との交渉力の弱さから報酬の不払いや取引条件の一方的な変更を受ける事例が多く、パワハラ、セクハラも報告されている。