三井住友信託銀行は1日、管理職だった社員がインサイダー取引をしていた疑いが判明し、同日付で懲戒解雇したと発表した。業務上知り得た情報を基に、他社の株式を複数回取引していたと説明した。関係当局に通報した。
信託銀行は株主名簿の管理など株式に関する事務を担う証券代行業務を手がけていることで知られる。このところ金融機関や関係当局でも担当者のインサイダー取引疑惑が相次いで発覚しており、資本市場の信頼を損ないかねない状況だ。
三井住友信託銀によると、社員が10月30日に自ら会社に申し出た。インサイダー取引に当たると認識しており、聴取などに対して証拠となる資料も開示したという。31日に解雇理由に当たると判断した。役職は課長以上としている。取引の金額や銘柄など具体的な内容は、当局の捜査や調査に関わるとして言及を避けた。大山一也社長は1日夕、東京都内で記者会見し「お客さまや株主をはじめ関係者の皆さまに多大な迷惑と心配をかけ、深くおわびする」と謝罪した。外部の有識者による調査委員会を設置し、事実関係の確認や原因分析を進める。再発防止策を策定するとともに、大山氏らの経営責任を判断する。
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信託社員インサイダー疑い 三井住友、管理職を解雇
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琉球新報朝刊