パナソニックホールディングス(HD)子会社で電子部品を手がけるパナソニックインダストリーは1日、品質不正問題を巡って設置した外部調査委員会が公表した報告書で、認証や契約に関わる不正行為が計93件確認されたと発表した。不正があった電子材料は自動車や半導体、家電など幅広い製品に使われている。
米国の第三者安全科学機関「米保険業者安全試験所(UL)」の認証取得の際の数値の改ざんや、監査時に指定された品目と異なるサンプルを提出する偽装などがあった。電子材料など計約5200品目で確認された。同社が取り扱う全約60万品目のうち0・9%に当たるという。売上高規模では1900億円になる。
松江工場(松江市)ではサンプル偽装に関し、2022年1月ごろにインダストリーの坂本真治社長が報告を受けていたが、認証機関に報告をしていなかった。
坂本氏は大阪市で開いた記者会見で謝罪した上で「生産、販売を終了していた製品のため、間違った判断をした」と述べた。坂本氏と親会社のパナソニックHDの楠見雄規社長は役員報酬の50%を4カ月間、自主返上する。不正行為があった工場は他に郡山工場(福島県郡山市)や四日市工場(三重県四日市市)など国内23拠点、海外17拠点に及ぶ。
インダストリーは今年1月、UL認証取得で不正があったと公表し、有識者でつくる委員会を設置し、調査していた。
有料
パナHD子会社、93件不正 外部調査委の報告書公表
この記事を書いた人
琉球新報朝刊