年内に衛生検査所稼働 沖縄環境保全研究所 平良辰二会長【琉球新報デジタルPR特別企画】


年内に衛生検査所稼働 沖縄環境保全研究所 平良辰二会長【琉球新報デジタルPR特別企画】
この記事を書いた人 琉球新報社

【プロフィール】
 たいら・たつじ 1952年生まれ、うるま市出身。琉球大卒、79年入社。MBOを経て2005年に代表取締役に就任。23年6月から現職。趣味は仕事・クラシックギター・カラオケ。座右の銘は不撓不屈。

—2023年6月に社長を退き、会長に就任しました。

 20年前に社長に就任した時に「社長は70歳まで」という規定を作りました。私も70歳になりましたので、交代しました。振り返ると、社長就任時のわが社の財務状況は最悪でした。債務超過の状態で2年間を過ごし、3年目にようやく利益を出せるようになりました。最初の2年間は職員にも賞与も渡せず、役員報酬も削減していました。

—その状態から現在のようになれたのはなぜでしょうか。

 私たちの仕事の8割は公共事業です。国や県、市町村の施策ニーズに合わせていくのが使命です。自治体からの要望には100%応えるようにしてきました。人が足りなければ、よそから借りてきてでも対応する。技術が足りなければ研修に行かせるなどして対応してきました。河川水質調査や一般事業所のばい煙測定などが主な業務だったのが、時代の変化、ニーズの変化に対応したことで、動物、植物、大気、騒音、振動、食品の調査分析までできるようになりました。毎年同じことをしている会社は成長できず、つぶれます。50年間成長し続けたのは、とにかく新しいことをどんどんやってきたからです。

—23年を振り返って。

 本社敷地内に衛生検査所を設立するため、建物の工事に着手しました。血液検査など人の健康に関する検査ができる場所です。総合病院などは県外の大手の検査所と契約しているので、血液検査などがすぐにできますが、地域のクリニックでは簡単にできません。少ない検査数でも対応できる環境を作るのが地元企業としての使命だと思っています。24年は検査所としての登録に向け、施設や機械整備を進め、年内に稼働させる予定です。軌道に乗るまでは数年かかると思いますが、沖縄県民の健康作りの担い手になりたいと考えています。

—県民の健康のために他に計画していることはありますか。

 健康には食も重要です。私たちは土壌の分析や食品の分析ができます。そのデータからその土壌にどんな作物が適しているか、どんな栄養が足りないのかを農家のみなさんと一緒に考えることができます。気候変動で作物の収穫期などもずれてきています。それも私たちの調査分析でサポートできると思います。スマート農業の分野で農家のみなさんを支え、沖縄の農業、食、健康に貢献できればと思います。

—県所得向上応援企業の認証も受けました。

 私たちは納税することが社会貢献だと思っています。税金があるから国も県も市町村も事業ができます。企業が稼ぎ、従業員の所得を上げることは所得税という形で社会貢献につながっているんです。

—24年の抱負を。

 社の理念の一つに地域貢献を掲げていますが、まだ不十分だと感じています。スポーツや伝統芸能。沖縄には素晴らしいものがたくさんあります。24年は地域貢献に力を入れていきたいと思います。