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「学び直し」全ての人に門戸を 全国初の私立夜間中学、申請拒否を経てこぎつけた開校 沖縄


「学び直し」全ての人に門戸を 全国初の私立夜間中学、申請拒否を経てこぎつけた開校 沖縄  星野 人史さん
この記事を書いた人 Avatar photo 高橋 夏帆

 学校法人雙星舎(そうせいしゃ)が県に提出していた私立の夜間中学校「珊瑚舎スコーレ東表(あがりおもて)中」の設置申請が正式に認められ、4月に開校する。雙星舎の星野人史理事長は「やっと始まる」と安堵(あんど)の気持ちを表す。一方で、県が設置計画を認めなかった2022年9月から1年以上が経過したことについて「1年は遅かった。1校できても喜ぶ気持ちにはならない。まだまだやらないといけないことがある」と話す。

 県は22年に、運動場面積の基準を満たしていないことなどを理由に私立夜間中学校の設置を認可しなかった。

 しかし学校開設を求める署名活動の動きが起こるなど、県に見直しを求める声は大きくなった。雙星舎は近隣小学校の運動場を借用するなどして再申請した。23年に審議会と県が妥当だと認め、今回正式に認可した。

 沖縄戦の影響で教育を受けられなかった世代は高齢であることから、最初の申請から開校までに1年以上かかったことに星野さんは「長過ぎる」とため息をつく。

 学び直しを求める人は県内各地にいることから「一校だけでは地理的、時間的に通えない人がいる。義務教育の門戸を開く状況をつくることが大切」と話し、各市町村への教室設置が必要だと指摘し、計画を進めている。夜間中学は23年10月時点で、17都道府県に44校ある。

 (高橋夏帆)